禿生海峡冬景色

山形在住【食いしん坊中年男子】の平穏な日常に突如襲いかかる妻や愛猫の嘔吐!そしてその内容物について…

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

入院生活

生きてるのが辛くて死にたいと思った事は無いけど、生きてるのが楽し過ぎて「自分の人生、いま終わった方がキレイなんじゃないかな?」と思った事は正直、ここ数年何度もあったので朦朧としながら「あ、今がそのタイミングなのかもな」という感覚に触れつつ、「まだダメだよ」という強い意志も感じていた。

暗闇の中で照明のスイッチを入れたみたいにパッと目の前が明るくなると、そこは集中治療室のベットの上…「あっ、意識戻りましたね?」「ちょっと奥さん呼んで来て〜」そんな声が聞こえ、ジュンが視界に入ってくる「おとうやん、わかる?大丈夫?」「うん…ていうか、何があったの?おれ何しちゃったの?」「何も覚えてないの?あなた崖から落ちたんだよ…みんなが助けてくれたんだよ」「えっ…」。その先は謝るしかなかった…御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい…繰り返すうちに涙が出て来た。

死ぬとか死なないとか以前に、ボクの怪我はそこまで深刻なものではなかった。でも、深く深く落ち込んでしまい集中治療室にいた3日間は、ほとんど食事も睡眠も出来ず、ジュンが面会に来ると謝りながら泣いてばかりいた。無職になり仕事から自信を得られなくなっているとこに加え、家族友人関係も自分が壊してしまったように感じていた…どこからも自信を得られなくなると、どんどん心がしぼみ空っぽの脂肪塊だけがうずくまっていた。たったひとつ、ジュンのお腹の中の子だけがボクを照らしてくれていた。ジュンや看護師さんが何度も何度も「この子の為に元気にならないとね」「早く治さないとね」としつこく繰り返したが、不思議とイヤな気はせず「はい、はい」と素直な気持ちで応え続けた。ジュンのお腹に触れると、後悔ではない涙が流れ落ちた。

集中治療室にいる時点では、まだ脳の出血も止まってなかったので、身動きを禁じられ上半身も30度しか上げてはいけなかった。そういう状態になったら気が狂うんじゃないか?と以前から自分で思っていたが、そんな事は無かった…朦朧としていたのもあるかもしれないが、怪我人モードのようなものがあって何時間でもその場でボーッとしていられる気がしていた。ベットの上で食事、排泄、看護師さんに身体を拭いてもらっていても何も感じなかった。ただ、食えず寝れずウトウトすると最初に書いたような「今がそのタイミングなのかも?」「まだダメだよ」という2つの声が渦巻いてうなされた。

脳の出血が止まったことが確認され、一般病棟に移った。くも膜下出血の後遺症による頭痛とめまい、骨折している右耳があまり聞こえない事がまず大きな症状、後は打った右側頭部が腫れてる事によって咀嚼がうまく出来ない事、打った場所周辺と舌の一部に麻痺がある事が自分でもわかってきた。驚いた事に数十メートルも転落したにも関わらず体はどこも骨折しておらず、いくつかスリ傷があるだけだった。本を読む事もテレビや音楽を聞く事もする気になれず、ただ病室の窓からボーッと空を見ていた。ジュンにお願いして見舞いはすべて断ってもらっていたが、ヒデちゃん夫妻とポチくんはそれでも来てくれた…やはり嬉しかったな。

一般病棟に移ってから院内の耳鼻科にも行ったんだけど、あの時はまだ髪から泥や木屑みたいのがボロボロ出ていた。担当医が右耳にピンセットを突っ込むと、血の塊や泥がたくさん出てきた。それらを出せば、耳が通るかと思っていたが聴力はあまり回復しなかった。自分で臭いとか何とかは感じなかったけど、さすがに気持ち悪いので風呂に入らせてもらった。まだ、めまいと闘いながらのフラフラ歩きだったし脳味噌朦朧モードだったけど、ジュンが持って来てくれてた自分のお風呂セットを目の前に置くと、何も考えなくてもいつも温泉に通ってる時と同じ動きを体がしてくれるので、頭も体もさっぱりキレイになった。飯が食えない事も「おかゆがマズいからだ!」と気づき、普通の白飯メニューにしてもらったら完食できるようになり、食事とれるようになったら夜も長めに眠れるようになった。

飯を食い、夜眠れるようになったらドンドン正気に戻ってきた。手足にいくつかついた傷も見る見るうちに癒えていった。ジュンは身重の体で毎日のように面会に来てくれた…ボクの事故で大きなショックを受け、頸管が短くなってしまい病院から「すぐ入院するように」と言われていたが、「ダンナが入院しているので今すぐは無理です」と断っていた。ジュンの通院には、なおなおが付き添ってくれていた。いま思い出しても、申し訳ない気持ちで心が震える。ジュンはボクのことを責めずに終止励ましてくれた…怒りと不安で胸が張り裂けそうだったろうに、どれだけ謝っても許されるものではない。

結局、9日間で退院する事ができた。入院中は睡眠薬を処方してもらっても熟睡する事ができなかったので、念の為退院時に睡眠薬を多めに出してもらったが、自宅の自分のベットに入ったらアッサリ熟睡できた。ゼニを抱き、ジュンの腹を撫で『いつも通りの日常』を少しだけ取り戻せたような気がしていた…もう涙はでなかった。

E58699E79C9F-2_20140107024258775.jpg
 
関連記事
  1. 2014/01/07(火) 02:02:02|
  2. 日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dondonyaki.blog38.fc2.com/tb.php/1079-b4ebd0f9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)