禿生海峡冬景色

山形在住【食いしん坊中年男子】の平穏な日常に突如襲いかかる妻や愛猫の嘔吐!そしてその内容物について…

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仙台市青葉区『北京餃子』

仙台のオシャレデパートであるフォーラスの地下にありながら、実に…良い意味でガサツな雰囲気漂う中華屋さん。安さがウリの店ではあるんだけど、今時のチェーン系ファストフード店のような「キレイで安くて接客丁寧!でも原材料費は怖いくらい抑えられてます」みたいな隙のない感じじゃなくて、「値段が安くて盛りがいい!けれどガサツで味それなり」っていう、なんかボクのような中年男性にとっては…やたらと懐かしい感じなのです。中学の時に、一緒に映画見に行った友達が教えてくれた200円でラーメン食える店!みたいな…昔はそういう個人経営の店が結構ありました。

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北京餃子というくらいですから餃子がウリなのですが、150円という価格のわりになかなかウマい!これは真顔でオススメできます…手造り感あって味しっかり、まちがいない。奥のドンブリ2つは、曜日によってラインナップが変わる日替わりランチセット(550円)。写真にあるのは中華そばとスタミナ丼なのですが、麺類は中華そば以外に塩ラーメン・広東焼きそばにする事もできます。これが…実にこういう店らしくてグッとくるのですが、まずは店先に貼られたメニューの多さに悩む、どうにかメニュー決めても券売機のどこにそのボタンがあるのか悩む、やっと食券を買ってもそれをどこに出せばいいのかわからない…チェーン店のように導線案内なんて無いですから、え?え?となってしまう…で、まあカウンターにいる苦みばしったおばちゃんに食券を渡すわけなんですが、セットメニューだと突然「麺どれ?」って早口で聞かれる…そこでまた、え?え?となるわけなのですが、フッとおばちゃんの指刺す方を見ると「中華そば・塩ラーメン・広東焼きそばのどれかを…」みたいな小さな貼り紙がある。ここまでクリアして、やっと注文終了…もちろん、その場で待つべきか席で待機すべきかの指示は無し(席を確保して食券の番号呼ばれるまで待機が正解)。とにかく他の馴れてそうなお客さんの行動を真似るしかない。

いいんですよね…この、ファストフード店でサービスがどうとかイヤミ言ってるような人が来たら気を失ってしまいそうなガサツさが、たまらなく懐かしく居心地いい。スタミナ丼なんかも価格なりの味ではありますが、イオンのフードコートのような「冷凍物を湯煎しました」みたいのではなくて、ちゃんと厨房で中華鍋を振るって作って…まあ、こんな感じだよ!安いし!っていう、いいんだなあ。

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手前は、広東焼そば(550円)…見ての通りのドカ盛りメニューなんですけど、今風の油や調味料の濃さでどうこうしようって味ではないので、不思議とスルスル食べれる。紅ショウガは正面カウンターにしかないので、呼ばれて持ってく時にしかのせられないんだけど、昼過ぎの時間帯になるとちょっとしか残ってなかったりするのね…ガサツ万歳!奥は、ニラレバ炒め定食(650円)と餃子(150円)…最初にジュンと来た時に食べた麻婆豆腐が、まあ…あまりに昭和な感じで「もう行きたくない」と言われてたんだけど、2度目なんとか付き合わせて食べたニラレバは気に入ってくれたという…危ないとこでした。

今時の風潮を無視して全面喫煙OKなので、嫌煙家の方が来ると震えるくらい煙いのですが、そこらへんも含めて昭和。客層は、やはり量と安さ重視の学生さんや愛煙家OL、スーツがヤニ臭くなってもかまわないという風体のやさぐれサラリーマンが多いですが、たまに家族連れが迷い込んで来ては「あれ?あれれ?」ってなってるのも実にこういう店らしく好感が持てます。王将も今みたくファミレス化する前は、こんな雰囲気だったような…是非、北京餃子にはこのままでいて欲しいと願わずにはいられません。
 
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  1. 2014/01/31(金) 02:02:02|
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上山市石崎『みそのそば』

長い事一日おきにジュンの面会へ通っているので、曜日の感覚が無くなり「やけにクルマが混んでると思ったら週末か…」なんて事も多いのだが、それでも日曜日の夕暮れ時は特別だ。千葉に住んでいた時は、冬の西日と強い風に心が震えた。今は山に囲まれているので、真横から刺さってくる日射しも足元をすくうような強風とも無縁…嬉しい気もするし、どこか物足りなさも覚える。

そんな週末の夕飯時、山形市内のファミレスや回転寿司は家族連れで混み、流行のラーメン店はデート帰りのカップルや学生で列が出来ている事だろう…が、隣町である上山の飲食店はどこも空いている。こないだ、大丸食堂の事を書いたら知り合いに会う度に「気になる」と言われたので、イカ焼き以外のメニューも紹介できたらと思って訪れた。

当然空いてると思って店内に入ったら、何かの会合の打ち上げでもしてるらしくドワッと大勢で盛り上がってる声とタバコの煙りすごい。わ、わ、と思い店を出る…危ないとこだった、元気な時だったら宴会中のおじさんおばさんの噂話にでも耳をかたむけつつドンブリ飯を食らうのも悪くないが、生憎今日は日曜日の夕暮れ時…しんみり一人メシを満喫したい所存。

で、みそののノレンをくぐった…思った通り他に客の姿はない。厨房のおばちゃんに注文して新聞をめくる…テレビでは報道番組が低く流れている。新聞をとっていないので、こういう時にパラパラと地元企業の小さな広告を眺めるのが楽しい…フムフム、結構不動産関係が多いな。ひとしきり読み終えた頃に盆が運ばれる。

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ラーメンセット(650円)。ラーメンのスープはあっさり、しょっぱくないからスープをすすりながら麺をズズッとやるのがいい…中細の麺はやわめの茹で加減、最近のやる気あるラーメン店はどこも讃岐うどんか?てくらいコシのある、咀嚼してる顎が疲れちゃうような麺が多いが、いつかこういうやわらかい茹で加減が評価される時代が来ないものか。メンマはコリッコリ!中華そばのレベルの高い山形は、こんな美味しい自家製メンマが小さい店でも普通に出てくるが、他地方ではなかなかこうはいかない。2枚入ったチャーシューは、しっとり固くて味しっかり。

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みそのそばでは、麺類プラス100円でセットにしてくれるのだが、このセットのおいなりさんがなかなか美味しい…ゆかり(紫蘇粉)とゴマが混ぜてあり、注文受けてから詰めてくれる。お揚げがつややかで優しい甘味。

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店を出ると、もう暗くなっていた…今年は雪が少なくて過ごしやすい冬だが、寒さは手加減なしでギュンと冷えている。ダウンジャケットのチャックをあげ、小走りでクルマにむかった。いつか、どこか今はまだ知らない町で山形のこんな寒さを懐かしく思う日が来るのだろうか
 
  1. 2014/01/29(水) 01:01:01|
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ロングタイム時々

昨夜は毎年恒例、蔵王のロッジ伊澤新年会にひとりで参加してきました。崖転落事故以来、ボクが泥酔する事がジュンにとって大きなトラウマになってしまい、飲み歩かずにいたので…四ヶ月ぶりの外飲み。いつも変わらず酒好きな友人達と楽しい夜をすごしてきました。崖転落事故で恐らく一番迷惑かけてしまった樹くんと、一番に崖下へボクを助けに来てくれたゾロさんと3ショット撮れたのが嬉しかった。

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先週はお腹の子のMRI検査があり、やはり疾患はあり出産後すぐ手術が確定した。どっちみち手術。ジュンはとても落ち込んでいる…厳しいよな、厳しい。お腹の子を元気に産んであげられない母親の気持ちになってあげる事はできないが、お腹の子を元気に産んであげられない母親の亭主として頑張れる事を頑張りたいと思います。出来る事は自分で思うよりたくさんある…家族への愛を態度で示すのですのです
 
  1. 2014/01/27(月) 02:02:02|
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山形市あかねヶ丘『ぬーぼう 三代目』

あかねヶ丘ぬーぼうの爆中華(700円)は、いわゆる二郎系といわれるラーメン。これ系は食事として…普通のラーメンとして食べてる時はあまり好きになれなかったのですが、ある時フト気づいた事があって、それからは年に何度か呼ばれるようにして食べに行ってます。多量の極太麺と多量のモヤシをひたすらに口へと詰め込んでいると…咀嚼し続けていると、頭が真っ白になって自分が麺をすすっているのか、麺に自分が引っ張られているのかわからなくなる時がある。麺とスープと自分が一体化してしまうかのような…徐々に咀嚼の疲れや満腹感が消え、麺が食道を通り胃袋へと入り込んでくる感覚だけが鮮明になってゆく。

「はは〜ん、これは修行だな」と気づいたわけです。普通に食事としてじゃなくて、滝行か何かの修行だと考えられるようになると楽しくなってきて、それまで残してしまいがちだったのが完食できるようになった。前日から体調を整え、朝食のメニューも消化良いものを心がけて胃腸に余裕を持たせ、昼時を少しずらして入店!ドンブリを前にしたら、まず手を合わせ心を鎮める…レンゲと箸を巧みに使い麺とモヤシの上下を入れ替え(麺がスープに浸り伸びて量が増すのを防ぐのと、そのままでは濃いスープをモヤシの水分で薄める為)、まずは麺を集中的にすするべし!すするべし!暴れながら口元へと昇りくる極太麺と闘っていると、次第に集中力が高まり雑念は消え精神統一状態に!

食べ終えた後の満腹感や膨満感も心地よい…滝行を終え、震えたりケガしたりしてる人を見て「何でそこまでするの?理解できない!」と言う人がいるように、「何でそこまで食うの?理解できない!」と非難される事もあるかもしれません。でも、いいんです!「美味しい」「楽しい」を越えた先にしか見えない景色というものがある…ラーメンを普通に美味しくいただく事の先に、麺とスープと自分を一体化させてくれる世界がある!言い切ってしまう事には若干の迷いはありますが…でも、そう言われてみると何だか山のようなモヤシが!その頭上から流れ落ちる背脂が!壮大な滝のように見えてくるじゃありませんか?!

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とまあ、胃薬飲みつつ書いております…今夜は寝苦しい夜になりそうだぜ!
 
  1. 2014/01/24(金) 01:01:01|
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仙台市宮城野区『加瀬』

利府市で30年間和食屋を営む店が産業通り沿いにオープンした“和彩ダイニング”で、牛タン関係のメニューを推している。店前の看板などメニューの安さを押し出したディスプレイになってるが、実際は安さがウリの店ではない。牛たんら〜めんととろける牛たん丼セット(900円)をいただいた。

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セット物特有のトゥーマッチな印象を与えない、スッキリとしたルックス!香りも際立ったものは感じない。

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牛たんら〜めんは、ホロホロと崩れるくらい柔らかい牛タンが中央に一枚…しかし、いかんせん薄く小さいので「牛タン食べました」という気持ち的な満足感が少しあるだけで、「肉食ったぞ!」という満足感はナシ。鍋の汁か?と思うくらいアッサリのスープに白髪ネギとセリのトッピング。この淡白な和風スープにセリがとてもマッチしていた。麺はノーマルな中細。

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とろける牛たん丼は、あっさり塩味のそぼろあんかけと肉味噌の下からラーメンと同じ薄いホロホロ牛タンを一枚発掘!これがなかなか…“とろける牛たん”要素が薄すぎ(文字通り)ますが、あっさり和風あんかけが白飯に絡んで美味しい。

セット物にしては食後に「ブヒ〜食った食った!ゲフ」みたいにならず、しかしちゃんと満腹にはなれて満足度は決して低くないのですが…メニューの写真と実物との差がマクドナルド並みで、ちょっと不満がないと言ったら嘘になります。ご興味もたれた方はホームページをご覧あれ。
 
  1. 2014/01/20(月) 01:01:01|
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上山市松山『大丸食堂』

毎年正月には千葉の実家から父母が手造りのおせち料理を送ってくれる。今風の鮮やかな色合いの物ではなく、地味ななりをした昆布巻きや田作り、キントン、煮しめ等なのだが、これが驚く程早く痛む。普段スーパーの総菜で馴れてるので、冷蔵庫に入れておけば冬場は1〜2週間平気で持つ…と、そんな感覚で放置してしまうとアッという間に父母の優しさをゴミ箱に突っ込む事になってしまう。

近頃は「食堂」と名のつく店でも、そんなスーパーの総菜と変わらぬ添加物まみれの食品を出すとこが少なくない。かつ丼と言えば、豚肉に衣つけて揚げてタマネギと割り下で煮て卵でとじ、ほかほかご飯にドシャッ!そんなこと食いしん坊なら誰でも知ってる。でも、スーパーの総菜やコンビニ弁当だとそこに合成着色料、発色剤、着香料、酸味料、甘味料、合成調味料、合成保存料、酸化防止剤、防カビ剤、防腐剤 etc が入り、さらに手が込んだ店だと柔らかい成形肉を作る為にリン酸塩、増粘剤、ph調整剤、たんぱく加水分解物 etc が…そこまでするのは、やはりコストを下げるため!コストを下げる為には、売り場に丸一日置いてあり閉店間際に半額になったのを買ってったお客さんが翌日夜に食べても、変なニオイがしないこと!変な味じゃないこと!変な色じゃないこと!とりあえず、ニオイと味と色が変じゃなければお腹がくだっても…ねえ?

で、『大丸食堂』ここは大丈夫、不器用で実直な大衆食堂らしい大衆食堂。以前は交通量が多かったであろう国道の旧道にある古びたドライブインで広い座敷が二間ある、厨房前の壁にはズラリとメニューが並び、そこで注文してしまうスタイル…会計は先でも後でも良い。ボクがこの店でよく頼むのが、いか焼き定食(750円)。

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最初この店でラーメンか何かをすすってる時にナナメ後ろのオジサンが、これを頼んでたの「はい、いか焼き定食おまちど〜」っていうおばちゃんの声が聞こえて「えっ?」て思ってチラリと覗いたら、この淡白なルックス…定食屋の定番といえば揚げ物や炒め物…そこに、この白いイカと白いドンブリ飯という一種異様な“禅”すら思わせる世界観!しかも、揚げ物定食とかに比べて安いわけではない…ていうか、このいか焼き定食「750円」とシレッと書いたけど、実際表記されてるのは「750円〜850円」なのよ!この…多分、大きさによって仕入れ値が変動するって事なのかな?850円出して…どうなの?いか食いたい?って、そこに惹かれるじゃないですか。

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まあ、でも美味しいんですよ。一夜干しなので塩気があって、見た目のインパクトほど淡白ではなく意外とドンブリ飯のパートナーをそつなくこなしてます。そして、このたっぷりのマヨネーズがいいんだ!マヨネーズが無いと多分いか一匹全部は厳しいかも…醤油でひと口、マヨでひと口、生姜醤油、生姜マヨ、紅生姜マヨ…ちょっとずつ味を変えて楽しめる。いかも意外に部位によって食感がちがう…ゲソとミミはわかりやすいけど、胴体も薄いところ厚いとこで香ばしさやモッチリ感の差を楽しめる。

小鉢のタラコとしらたき煮、青菜漬け、味噌汁の具…どれも業務スーパーのなんか使ってない、ちゃんと手造り。チェーンのファストフードや安価の総菜弁当と闘う為に、漬物や小鉢を業務スーパーのもので補ってる飲食店あるけど、あれ悲しいね…わかるもんな。

ちゃんと手造りの美味しいものを出して、従業員みんな食べていけて…ってなると、やはり定食類は700円台になってしまう。それで、しょうがない…ていうか、それが普通。

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でもボク達は今、普通じゃない世界を生きてるのだ。
 
  1. 2014/01/18(土) 01:01:01|
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上山市十日町『さかえや』

ホテルランチバイキングの1000円や、もちろん幸楽苑のランチ半チャンラーメン480円は悩む事なくサイフがスッと開くのに、老舗蕎麦屋の中華そばカツ丼セット950円は「うっ…」と一瞬たじろいでしまう。何でだろう?食後の自分を想像してみる…ランチバイキングはもちろん半チャンラーメンを食べた自分は“やっちまった系の満腹”に苦しんでいるが、そば屋のカツ丼セットを食べた自分は“心地よい満腹感”に浸ってる…余裕の笑みさえ見えるではないか!なのに…そこまで予測できるのに何故…結局、未来の自分より現在の自分の快楽『お得感』に負けているのだ。目先の小さな小さな欲に負け、将来の自身の幸せを掴みそこねる…悲しいじゃないですか、あまりに悲しいではないですか

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というわけで、さかえやさんの中華そばカツ丼セット950円。ここの中華そばは、ボクよりジュンの方が好き…色濃くていかにもしょっぱそうだけど、これが不思議とそうでもない!醤油が強いんだけどしょっぱくない!そんで、細麺プリプリのツルツル!メンマはコリッコリ!

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カツ丼のトンカツはもちろん揚げたてで、サクサクゾーンとしっとりゾーンがある…サイズが小さいので大きめに切られたカツをバクっといって、真っ白いドンブリを口元に引き寄せ、甘辛い汁と固まりきらない卵の染みたメシをガツガツといくと「俺はいま食ってる!そして生きてる!」という謎の多幸感が…ありません?美味しいカツ丼食べると妙な興奮をボクは覚えてしまうんですけど…安価がウリの店のセット物とはちがいます!ちゃんと手をかけた中華そばと、ちゃんと作られたカツ丼!これこそが正解!

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これこそ正解って判ってるんだけどなあ…
 
  1. 2014/01/16(木) 01:01:01|
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忘れない店

年に何度か県外の友人が山形へ遊びに来てくれる。千葉に住んでた頃の知り合いとか、ネットを通じて知り合った仲間とか…そんなワザワザ足を運んでくれる友達と酒を酌み交わすのは、たまらなく楽しいものである。酒宴ももちろんアレだが飲む前や飲んだ翌日、温泉と共に「ちょっと山形の美味しいものを…」という流れで中華そばを食べに行く事が多い。山形に来るの1〜2度目という相手になら淀みなくオススメを案内する事が出来るが、5〜6度目ともなるとちょっとどこに連れてくべきかと迷う…そんな時に、半分冗談半分本気で「美味しい店と、美味しくない店どっちがいい?」と質問してみる。とりあえず今のところ「お、その美味しくない店っての興味あるなあ〜」と言い出した友人はいない。隣で聞いてたジュンなど「美味しくない店なんて行きたがる人いるわけないでしょ!」と軽くキレたりする。

とびきり美味しい店というのはもちろん良いものだし記憶に残るものだが、そこそこ美味しい店というのは意外に記憶に残らない…それに比べ美味しくない店というのは記憶にも残るし、何かと話のネタにもなってくれる。酒を飲みながら自分が体験した『美味しくない一杯』というのを語るのがコレまた盛り上がる!「ドンブリにおばちゃんの指が入ってた」「そばを頼んだのにうどんが一本入ってた」等、定番ネタも事欠かない。関西の方がよく「東京行ったらうどんのツユが真っ黒で!」というのに「そんなら食うな!」と関東の人間が逆にキレてる事があるが、あれも意外と不平不満という程のものではなく、笑い話のネタのひとつなのでは?という気がする。

チェーンのファストフードやショッピングセンターのフードコートのように、低価格であることが最優先なため美味しくなくなってるものはともかく、何十年も営業してるのに美味しくない店というのがたまにあって、これがジワジワと魅力的だったりする。ただ、どんどん無くなってるね…そういう店。ひと昔前だと「しょうがねえじゃん、あそこの店しか出前来てくれるとこないんだから」みたく生き延びてる店が結構あって、自分の街にある飲食店の半分が美味しい店、もう半分は美味しくない店…なんて構図が普通だった気がする。それが、今じゃ美味しい店が一軒残って後はファミレスとチェーンのファストフード…なんて場所も少なくない。それに比べるとまだ山形近辺は昔ながらの店が多くて、楽しめる余地が多少残っている。

この流れで店名を出すのはちょっと忍びないので、そこは濁させていただいて…県境の山を越え隣県の街道沿いにある食堂、構えは大きいが人の気配は感じず看板が朽ちてるので、玄関の「営業中」という立て札が無ければ入ろうとは思わない雰囲気。広い駐車場にクルマをちょこんと停め、ガラス戸を開けて店内へ…コンクリの床にストーブがひとつ、奥からヤカンを運んできたばあちゃんが「あら、いらっしゃい」

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やけに高めの天井に備え付けられたシーリングライトが点いてるが、店内は薄暗い…平日昼時だが、他に客の姿はなし。メニューを眺める…ラーメンに定食類、そばにうどんにカレーライス、しばし悩んでラーメン480円を注文。ばあちゃんが厨房に入ると誰もいなくなってしまったので、本棚や座敷をキョロキョロと観察させていただく。

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しばらくすると換気扇を回していないらしく厨房から湯気がモクモク…と、その湯気の間からお盆を持ったばあちゃんが現れ「はい、どうぞ」

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ちょっと雑味を感じるスープ、湿気った海苔、やけに存在感のあるネギ…まあ、普通のラーメンですよ。あまりお客さん来てないのかな?という雰囲気のある普通のラーメン。こうして文字にしますとアレですけど、全然恥ずべきところのない…注文したボクと厨房に立ったばあちゃんの間に何もない、企業理念も経営計画も過剰な期待、割引クーポン、グルメサイト…何もない!ただ、ラーメン食べてその対価480円を支払う!それだけの話しですよ。まあ、小皿の漬物は、ちょっと発酵行き過ぎて危険な個性を発揮してるかな?という感じだったので箸を引っ込めましたけど…

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店を出て外観の写真を撮っていたら、店脇の民家からじいちゃんが何か怒鳴りながらやってきた…久々に何言ってるかわからない位の訛りの強さ!にしても、この時のじいちゃんのルックスの素晴らしさと言ったら…寝癖のバランス、歯の抜け具合、ベストの着こなし…実に生命力が満ち溢れていた。生き物として強い!よくよく聞いてみると、壊れた看板があると勝手に看板の見積りを作ってくる営業マンがいるらしく「うちは看板なんかいらねえぞ!」という話しだった。ちがいますよと説明し「じゃあ、何してたんだ?」というので「いや実は今、ラーメンいただいたんですよ」「それでは、ごちそうさまでした」と告げてクルマに乗った。じいちゃんは「で?」という顔のまま見送ってくれた。ボクは、この店のこと忘れないと思う。
 
  1. 2014/01/14(火) 02:02:02|
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胎児の好み

しかし、赤子…というか、まだ胎児ですけど予想以上にオモシロいものですね。まあ、夫婦して仕事もせずに完全にお腹の子に注目して暮らしてるって事もあるんだろうけど、日々成長進化してくのを感じられたり、コミュニケーション(のようなもの)がとれたり…オモシロくてオモシロくてしょうがない!「胎児に好物がある」なんて話したら、「アホか」「今から親バカか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、検索してみると意外にそういう話しが出てくる…妊婦の時に食事の趣向が変わるのはよく聞くけど、その子が産まれたら「その時に自分が好きになった意外なメニューが子供の好物だった」とかね。

うちの子河童は、ミスドとコロッケが好きで…いや呆れていただいてもかまいませんよ?まあ、ジュンが入院する前からそれはあったんだけど、コロッケが美味しいと評判の天童の花輪コロッケ店に入った瞬間ボコボコボコ!って動いたんですよ。で「いま暴れた!」って2人で笑って…ミスドも好きで「じゃあ明日、面会の時に買ってくね」ってメールを見てボコボコ!それをジュンがモシャモシャ食べてボコボコ!

最近はちょっと脳にもシワが増えてきた関係で、好みが細分化されてきてるみたいで…ミスドでもポンデじゃないとそこまで大騒ぎはしなくなってるみたい。昨日、ポンデの新商品買ってったら超ボコボコしてました。試しにお腹に耳当ててみたら「こうきたか〜」って中で言っててビックリしました。お腹に指でトントンすると応えてくれるのは、かなり早いタイミングからあったんだけど最近は…これも脳のシワのアレだと思うんですけど、以前はジュンがやってもボクがやっても反応良かったんだけど、最近はボクがやるとちょっと静かになる…中で「アレ?この手はかあさんじゃない?」ってわかってるような気がして…

多分、ジュンの「嬉しい」とか「楽しい」という感情がダイレクトに伝わってる部分が反応してるんだろうとは思いますけど、それにしてもね…ホントに本人に意志があるかのように動いてくれるので、2人していつも「これで、産まれてくるとヨボヨボの泣くしかできない生き物が出てくるなんて信じられないね」なんて話してます。出て来た瞬間「あ〜窮屈だったわ〜」とかボヤキそうな気がしてならない。不思議!

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写真は、ボクの誕生日にジュンが作ってくれたマスコット。お腹の子にはいくつかアダ名があるのですが、その中でもポリュラーな子河童とくのいちをフェルトで立体化してくれた。ベットの脇に置いて毎晩オヤスミを言ってます。
 
  1. 2014/01/12(日) 01:01:01|
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子河童

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結局、ボクが退院した二週間後10月16日にジュンは入院した。13年間連載させていただいたタウン誌『ZERO★23』の最終回原稿を入稿して、大きな区切りをつけた翌日だった。

最初の二週間は、かなり難儀した…4人部屋なのだが同室の方は皆カーテンを閉め切り、いるんだかいないんだかわからないくらいシーンとしてるし、ずっと咳き込んで明らかに風邪ひいてる妊婦さんがいるのに看護師さんは「マスクしてください」とも言ってくれない。「外泊できるかも」という話しだったのに突然の外泊禁止を言い渡されたり、そのやりとりがあまりに理不尽でジュンは落ち込み、さらにパニック障害の持病をもってるのでと事前に窓際のベッドを希望していたのに「退院まで部屋移動は認められない」と宣言されたり…しかも、担当医は移動すべしと言ってるのに看護師さんの判断でNOとの事。

あまり腑に落ちないので、真剣に転院を考える…でもジュンのトラケレクトミーという特殊な手術を行った妊婦を扱った経験のある病院は数少なく、関東の慶応大に…移るか?実家にゼニと居候させてもらって?それとも週一で新幹線で通って?そんな事が可能なのか?受け入れてもらえるか?寝れない夜を一晩過ごしたら、あっさりと別の部屋の窓際ベッドに移動できた。ワガママな患者さんの申し付けに全部応えるのは無理だから厳しい取り決めがあるのは仕方ない事なのだろうけど、それにしても理不尽なやり取りだった…

そこまで揉めて移った部屋の雰囲気だが…これが、良くて良くて!ジュンはどんどん元気になったし、ボクもやっとひと息つけた。が、それもつかの間、大きな問題が起こってしまった。お腹の子とジュンを繋ぐ通常3本で出来てる臍の緒が、2本しかない…つまり1本足りないという事が発覚したのだ。ネットで「単一臍帯動脈」と検索すると色々怖い情報が並び、我々は震え上がった。何らかの障害を持って産まれる可能性が3割、問題ないのが7割…でも、臍の緒が少ないぶん身体が小さく産まれる事がほとんどらしい。

まず思ったのは「自分のせいだ…」と、胎盤作ってる一番大切な時に事故を起こしてジュンに大きなショックを与えてしまった影響だと。ジュンに申し訳ないと詫びたが、ジュンはジュンで自分を責めていた。そんな落ち込む両親を尻目にお腹の中の子自身はとても元気で胎動も多く、ボク等を励ましてくれてるかのように毎日動き回ってくれた。ジュンと同室の仲間は皆明るく、ジュンを慰める…とかじゃなく、皆さすがに東北中から集まったハイリスクな妊婦さん達ばかりだったので、本当に事によっちゃ自分の命も危ない!みたいな…だから、そんな仲間と仲良く過ごせたおかげでジュンは随分力づけられたと思うし、ボクも面会から帰る事ができた…いや、あのメンバーじゃなかったら心配過ぎて帰れなかったよ。

そんな同室だった妊婦さん達は皆無事に出産して、もう今は退院して行ってしまった。ホントに良かった…ボクも一日おきに面会に行ってて顔見知りになってたので、2人の赤ちゃんを抱かせてもらった。言ってしまったら「赤の他人の子」なわけだけど、とても可愛くとても嬉しかった。赤ちゃんはいい匂いがした。

その後も刺しっぱなしの点滴箇所に問題がでて血栓が出来たり青アザになったり、頸部が短くなって安静度が上がり部屋から徒歩で外出することが禁止になってしまったり、個室に移されそうになったり…同室の妊婦さんとの世間話は大事な気晴らしですから、ひとり部屋はギリギリまでカンベン願いたい。

そして、入院そろそろ一ヶ月という11月13日の検査で新たな問題発覚。単一臍帯動脈に関係する疾患がいくつか見つかり、出産後すぐに手術という可能性が高くなる。しかも、産まれた時点で2000グラムあれば手術できるけど、ないと手術すらできないから又話しがややこしくなるというか治療が複雑になるというか…ショックだったな。もちろん、単一臍帯動脈と言われた時点で可能性は感じていたけど、ショック大きかった。自分の目玉とヒザが大爆発を起こして、その場に崩れ行くような…いや、むしろ爆発してくんないかな?と思った…けど、爆発しなかったね。

落ち込み崩れ落ちるボクに比べ、ジュンは意外と早く腹を括って立ち直って…いたわけではないだろうけど、自分の中で決着をつけていた。「何があっても、この子を守る」「大事にする」と言ってたな。感心した…「そうか」と思いスグにではないけど、ボクも時間と共に腹を括れてきた。腹を括れたと言っても「何が起きても動揺しない」とかじゃなくて、「何かあったら動揺するけど、動揺する事を躊躇しない」みたいな情けないレベルの決心。今は逆にジュンの方が落ち込んでる感じ、でも今度はボクの方が安定してるからジュンを支えてるつもり。

そんな風にして、話し合って決めてるわけではないけど…互いに二人共同時に落ち込むのはヤバいという頭があるらしく、交互に落ち込んでは安定してる方がポジティブな方に引っぱりながら二ヶ月半やってきた。帝王切開予定日まで、あと一ヶ月半…今月20日には、疾患について詳しく調べる為のMRIがある。怖いね…怖いよ…ホント、こうやって長く産科に通ったり、自分達の身にこうして問題が起こったりするまで…わかってはいたよ?わかって無い訳ではなかったんだろうけどさ…出産の怖さを。知ってたとは思うんだけど、やはりSNSとかで流れる出産報告ってどれも「無事に元気な赤ちゃんを産みました〜」とかじゃない?そりゃそうだよね、無事に元気な赤ちゃんが産まれなかった人は報告なんかしないわけなんだから…それに気づいた時にゾッとした。自分もそんな風に報告するつもりだったのか?という事に、自分はそんな風に報告できないのかも?という事が心底怖くなった。

どれくらい怖くなったかというと、思わず年末に人生初のお祓いに行ってしまった程…ご縁のあるお寺さんだったので、お祓いしていただいて、話しを聞いてもらってかなり安定した。崖転落事件からジュンの中でボクの飲酒が大きなトラウマになってしまったので、お酒飲まずにいて…でも、こういう落ち込むような出来事の中で「病院と家の往復、会話するのジュンとゼニだけ」という厳しい状況、改めて友達に相談と言っても今までの付き合いがほぼ100%お酒絡みで腹割って付き合ってる仲間ばかりなので、誰かとカフェラテでも飲みながらおしゃべり…ってのもナシじゃないけど、勇気いる話しで…まあ、とにかくそんな精神状態のボクの悩みを聞いていただいたわけです。ありがたい。

そんな風に今も一日おきに病院に通っております。変な話しだけど、ジュンの入院直前に自分が人生初の入院生活をした事が、実にこの面会通いに役立っておりまして…何をすべきか完璧に出来てるとはもちろん思ってはおりませんが、母胎安定の為に努力!努力をしております。泣いても笑っても後一ヶ月半!自分に出来る事は、目の前にあるのでそれを頑張ってゆこうと思っております。
 
  1. 2014/01/10(金) 04:04:04|
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天童市荒谷『ラーメン・リッキー』

はじめてリッキーに行った時は夜だった。市街地からかなりはずれた田畑に囲まれた部落にあった…通り側に看板はなく脇道から田んぼの方に曲がると店の入口があって、そこに車を停めた。暖簾をくぐると、ばあちゃんが一人いて「いらっしゃい」でもなく、ただボクの事を見ていた。「ラーメン…いいですか?」そう聞くとゴニョゴニョっと何か言ってカウンター越しの厨房に入った。人気店だと口コミサイトで見かけた気がするけど、ボク以外にお客の姿は無かった…メニューを見ながらカウンターの端に腰掛ける。一番基本は…しょうゆ拉麺700円?ちょっと高めだなあと思いつつ注文。

冷水器から持ってきたお冷やを一口飲んで厨房をのぞく、麺茹での湯は沸かしはじめたばかり…ヒマだったのかな?との思いがよぎる。微かに排水溝のようなにおいを感じ、ハズしちゃったかな…と後悔しはじめる。手元の携帯で口コミサイトをチェックすると「しょうゆ拉麺と拉麺は別物、拉麺はおいしい」とあり愕然!メニューをあらためて見ると…あった!下の方に「拉麺(中華そば)600円」という表記が!やっちまった〜と頭を抱えてると「はい、しょうゆ拉麺」とばあちゃんがドンブリを運んできて「今日もうお終いだからチャーシュー1枚サービスね」と微笑んだ。

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700円だけあって結構ボリュームあるじゃんと思いつつ、スープをズズズッ…「えっ?」もう一口ズズッ…「ええっ!」超美味しい!ブ厚いチャーシューをよけ、たっぷり盛られた野菜達の下から麺を引き上げてすする…やっぱり美味しい!キレイな湯で茹で上げられた粉の臭いのしないプリプリ麺だ。驚きつつ食べながら、何でこのラーメンが口コミサイトで不評だったのか考え閃く「あ〜コレ、昔ボクが好きだったラーメンに似てるのかも」、まだ本格的な豚骨ラーメンが流行る以前…20年前とかに千葉の三越裏の長州ラーメン万龍軒とか、四街道のさつまっ子で食べたサラッとしたスープの豚骨醤油!あのラーメンにどこか似てる味なんだ!そういえば最初に感じたにおい…排水溝なんかじゃなくて豚骨でスープをガッツリとってる店特有の…万龍軒も同じにおいがしてた!「この味を山形で食べることが出来るなんて!!」感動しながら激しくがっついた。

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興奮し過ぎて暑くなり、上着を2枚脱ぎTシャツ姿で食べてたら、厨房から「アラアラ」とばあちゃんが出て来た。「美味しいです」思わず言葉が口をついた「あらそう、ウフフ」「この味のラーメン、山形ではじめて食べましたよ」ばあちゃんは微笑んでる。「ボク、千葉からこっちに来たんですけど…」「へえ〜千葉から、仕事の関係で?」「あ、え…仕事ではないんですけど、こっちに知り合いがいて」「何年になるの?」「え〜と、10年以上になりますね…」「あら長いのね」、ホントは何でこの店でこの味を?という質問をしたかったんだけど、そっからはばあちゃんと普通の世間話になってしまい聞けず終い…帰り際に「また来なさいね」と言われ「はい」と満面の笑みで応え店を後にした。

それからも何度か店を訪れているけど、あの時とちがい混んでる事が多く(昼時などは混んでて入れない事も数度)結局「何でこの店でこの味を?」は未だに聞けてない。ばあちゃんがボクの事を覚えてくれてるのかはわからないが、あれからも「明日お休みだからさ」とか言い訳しつつチャーシューを1枚サービスしてくれる。そして、最初の時と変わらず釣り銭を渡しながら「また来てね、今年もよろしく」と優しく微笑んでくれる。
 
  1. 2014/01/09(木) 02:02:02|
  2. 街の食堂消化機構
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退院後

転落した時に着ていたTシャツは、救急隊の方が処置する時に切断してそのまま破棄してしまったのだけど、気に入っていたのでこないだ全く同じ物を買い直して、つい最近ジュンの面会に着て行ったら「ええっ!そんな縁起の悪いものを…」と絶句していた。でも、袖に「HYPERCOOL」とプリントがあるのを見つけ、ボクが救急車の中で言った「I know that cool」を思い出し笑っていた。

退院直後はまだ頭痛とめまいが強かったので、なおなおにジュンの通院をお願いしていた。なおなおありがとう。山形市内までジュンを送り、ひとりで帰り道ひさびさに「音楽を聞いてみよう」と思いついてカーステレオのスイッチを入れた。入ってたCDはホルモンの新譜だったけど、ケガする前に聞いた時と全然ちがう印象…鳥肌たつほどの感動。ひずんだギターのクランチに体内の血液が沸き返るような…塞ぎかかっていた毛細血管がこじ開けられるような気さえした。

退院して数日後に耳血が出たり、半月後くらいに強烈なめまいに襲われ病院に駆け込んだが、特に問題は無かった…強烈なめまいは、新しい薬が処方されそれでどうにかなった。担当医が留守だった時に行ったので初めて会う脳外科のドクターが診てくれたのだが、大雑把な担当医とちがって頭蓋骨模型を片手にボクの内耳骨折について詳しく説明してくれた。「あなたの骨折は、この部分がこういう角度で折れたの」「もし角度がこうだと聴力失ってました」「もしこっちも折れてたら失明」「麻痺はどう?え、そっか…ラッキーだったね、この部分は大体もっとひどい顔面麻痺残る人多いんだよ」怖い話しだった。

入院中、食事ができずにいたら脇腹の贅肉がゴソッと落ちた…帰宅して体重計にのると5キロ減っていた。体調が元に戻ったら体重も戻るかも…と自分でも半信半疑だったけど、そのまま現在までにさらに2キロ落ちた。以前から「デブもウツと同じように心の病だ」と思ってるとこがボクにはあって…でも結局、極度に落ち込んだ時に食事や食欲では自分を救う事はできなかったんだよね。ボクを救ってくれたのは、妻と(まだお腹にいる)子供だった…だから(というわけではないかもしれないけど)もうこのまま食事に頼るのは止めたい気分。

今現在、後遺症の類いはほとんど感じずに生活している。治った部分もあるだろうし、今の状態の自分に自分が適応している部分もあるのだろうけど、とにかく不便を感じてはいない。頭痛やめまいは気圧の変化にちょっと弱いみたい…今も念の為薬は持ち歩いてる。右側頭部の麻痺は、担当医に「そこの末梢神経が切れてしまったのだと思うから治りません」と言われていたが、たまに違和感があるくらいで普段は退院時のような皮膚がブ厚くなったような感覚はない。舌の麻痺も味覚音痴になってしまうのを心配したけど今のところ大丈夫、ただひとつ…これは退院時から変わらず残ってるんだけど、悪い油に敏感になったのよ。不思議だね…そんな事あるのかね?でも、悪い油に対して「おいしくない」と思うのが3倍くらい(その程度だけど)強くなってしまったので、閉店間際のスーパーで半額になった揚げ物を買わなくなった!これも痩せ続けてる事に関係してるのかもしれない。

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誰にも薦められないな…『ガケ下転落入院ダイエット』。
 
  1. 2014/01/08(水) 02:02:02|
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入院生活

生きてるのが辛くて死にたいと思った事は無いけど、生きてるのが楽し過ぎて「自分の人生、いま終わった方がキレイなんじゃないかな?」と思った事は正直、ここ数年何度もあったので朦朧としながら「あ、今がそのタイミングなのかもな」という感覚に触れつつ、「まだダメだよ」という強い意志も感じていた。

暗闇の中で照明のスイッチを入れたみたいにパッと目の前が明るくなると、そこは集中治療室のベットの上…「あっ、意識戻りましたね?」「ちょっと奥さん呼んで来て〜」そんな声が聞こえ、ジュンが視界に入ってくる「おとうやん、わかる?大丈夫?」「うん…ていうか、何があったの?おれ何しちゃったの?」「何も覚えてないの?あなた崖から落ちたんだよ…みんなが助けてくれたんだよ」「えっ…」。その先は謝るしかなかった…御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい…繰り返すうちに涙が出て来た。

死ぬとか死なないとか以前に、ボクの怪我はそこまで深刻なものではなかった。でも、深く深く落ち込んでしまい集中治療室にいた3日間は、ほとんど食事も睡眠も出来ず、ジュンが面会に来ると謝りながら泣いてばかりいた。無職になり仕事から自信を得られなくなっているとこに加え、家族友人関係も自分が壊してしまったように感じていた…どこからも自信を得られなくなると、どんどん心がしぼみ空っぽの脂肪塊だけがうずくまっていた。たったひとつ、ジュンのお腹の中の子だけがボクを照らしてくれていた。ジュンや看護師さんが何度も何度も「この子の為に元気にならないとね」「早く治さないとね」としつこく繰り返したが、不思議とイヤな気はせず「はい、はい」と素直な気持ちで応え続けた。ジュンのお腹に触れると、後悔ではない涙が流れ落ちた。

集中治療室にいる時点では、まだ脳の出血も止まってなかったので、身動きを禁じられ上半身も30度しか上げてはいけなかった。そういう状態になったら気が狂うんじゃないか?と以前から自分で思っていたが、そんな事は無かった…朦朧としていたのもあるかもしれないが、怪我人モードのようなものがあって何時間でもその場でボーッとしていられる気がしていた。ベットの上で食事、排泄、看護師さんに身体を拭いてもらっていても何も感じなかった。ただ、食えず寝れずウトウトすると最初に書いたような「今がそのタイミングなのかも?」「まだダメだよ」という2つの声が渦巻いてうなされた。

脳の出血が止まったことが確認され、一般病棟に移った。くも膜下出血の後遺症による頭痛とめまい、骨折している右耳があまり聞こえない事がまず大きな症状、後は打った右側頭部が腫れてる事によって咀嚼がうまく出来ない事、打った場所周辺と舌の一部に麻痺がある事が自分でもわかってきた。驚いた事に数十メートルも転落したにも関わらず体はどこも骨折しておらず、いくつかスリ傷があるだけだった。本を読む事もテレビや音楽を聞く事もする気になれず、ただ病室の窓からボーッと空を見ていた。ジュンにお願いして見舞いはすべて断ってもらっていたが、ヒデちゃん夫妻とポチくんはそれでも来てくれた…やはり嬉しかったな。

一般病棟に移ってから院内の耳鼻科にも行ったんだけど、あの時はまだ髪から泥や木屑みたいのがボロボロ出ていた。担当医が右耳にピンセットを突っ込むと、血の塊や泥がたくさん出てきた。それらを出せば、耳が通るかと思っていたが聴力はあまり回復しなかった。自分で臭いとか何とかは感じなかったけど、さすがに気持ち悪いので風呂に入らせてもらった。まだ、めまいと闘いながらのフラフラ歩きだったし脳味噌朦朧モードだったけど、ジュンが持って来てくれてた自分のお風呂セットを目の前に置くと、何も考えなくてもいつも温泉に通ってる時と同じ動きを体がしてくれるので、頭も体もさっぱりキレイになった。飯が食えない事も「おかゆがマズいからだ!」と気づき、普通の白飯メニューにしてもらったら完食できるようになり、食事とれるようになったら夜も長めに眠れるようになった。

飯を食い、夜眠れるようになったらドンドン正気に戻ってきた。手足にいくつかついた傷も見る見るうちに癒えていった。ジュンは身重の体で毎日のように面会に来てくれた…ボクの事故で大きなショックを受け、頸管が短くなってしまい病院から「すぐ入院するように」と言われていたが、「ダンナが入院しているので今すぐは無理です」と断っていた。ジュンの通院には、なおなおが付き添ってくれていた。いま思い出しても、申し訳ない気持ちで心が震える。ジュンはボクのことを責めずに終止励ましてくれた…怒りと不安で胸が張り裂けそうだったろうに、どれだけ謝っても許されるものではない。

結局、9日間で退院する事ができた。入院中は睡眠薬を処方してもらっても熟睡する事ができなかったので、念の為退院時に睡眠薬を多めに出してもらったが、自宅の自分のベットに入ったらアッサリ熟睡できた。ゼニを抱き、ジュンの腹を撫で『いつも通りの日常』を少しだけ取り戻せたような気がしていた…もう涙はでなかった。

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  1. 2014/01/07(火) 02:02:02|
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あけましておめでとうございます

パソコンを立ち上げ「おひさしぶりです」と一言書き始めたが、(もう時間が遅過ぎる明日にしよう)と思い電源を消し風呂場に向かった。しかし、途中立ち寄ったトイレで読んだSteven Rosenのインタビュー記事に触発され、こうしてもう一度パソコンに触れている。同じ様にしてもう何日も何も書いていないから…そうして後回しにしてるうちに月日はアッという間に過ぎてしまう。

20歳を過ぎてから長期間働かずにいた事が2度ある…25歳の時と30歳の時だ。そして今回で3度目…前の2度に関して後から「その時、自分がどんな事を考えながら有り余る時間と向き合っていたのか?」に興味を抱き、日記を書いていなかった事を後悔した。「次に無職生活があったら必ず日記を」と思っていたが、なかなかそうもいかないらしい。

9月に生まれてはじめて入院をした。参加してた野外イベントでしこたま酔い、夜中に崖から数十メートルも転落してしまったのだ。外傷性くも膜下出血と内耳骨折で、集中治療室を含め10日ばかり病室のベットで呆然としていた。イベントに参加してた何十人もの人達が力を合わせ、崖下から押し上げ、崖上からは皆で声を合わせハンモックを装着したロープを引き上げる様子は「まるで映画のようだった」とジュンから聞かされた時には、ありがたさと申し訳なさで涙が止まらなかった。

ボクが落ちた瞬間を見てる人はいなかったのだが、運良く(?)崖上に一目でボクのだとわかるオレンジ色のクロックスが片方だけ転がってたので、ジュンが(何が起こったのか)気づいてくれた。いつもこういうイベントに参加する時にはスニーカーを履いてるし、この日も車にスニーカーを積んでいて履き替えるつもりだったのだが、たまたま忘れてしまったのが功を奏したのだ。

事を理解したジュンは「死んだ」と思ったらしい…そのくらい崖下は深く、その底にある沢は水音だけ聞こえるが崖上からは見えぬ程だった。悲鳴を上げその場にへたり込むと、周囲にいた男性達が真っ暗な崖下へと降り、女性達はジュンを取り囲んで毛布をかけ抱きしめてくれたという。今こうして書いていても胸が苦しくなる…身重の妻に対して一番してはいけない事を自分はしたのだ。

救急車に運び込まれ、頭部を固定されたボクにジュンが「大丈夫?」と聞くと「I know…I know that cool !」と泥酔してる時の口癖を放ちサムアップしたらしい…まったくバカ過ぎて震えるが、ジュンはそれを見て(脳は大丈夫だ)と思ったらしいので…まあ何と言うか、申し訳ない。

とにかく大きな大きな迷惑をかけてしまった関係者各位に、今一度深くお詫び致します。申し訳ありませんでした。そして、夜中にボクを崖下から引き上げてくれた皆様に感謝の気持ちを…本当にどうもありがとうございました。

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  1. 2014/01/06(月) 03:03:03|
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